コロナの影響によりオンラインレッスンの急速な普及が進み、最近では自宅にいながらレッスンが受けられるようになりました。ピアノ教室、英会話教室、学習塾、など知識や技術指導を伴うレッスンはオンラインを併用する方向へとシフトしています。
一方、スイミングや体操教室など施設が必要なレッスンはオンラインには不向きだといえます。ところが、同じ運動系の習い事の中でも、サッカーや野球、そしてダンスレッスンなどについては、個々の技術向上を目的とした学びの部分においては、オンラインレッスンでも対応可能だといえるでしょう。
たとえば、サッカーであればリフティング技術の向上、野球であれば投球フォームの技術指導、ダンスならばリズム感を取るコツです。ひとりでも練習可能な部分であれば、オンラインを通じての知識の伝達や技術指導は可能ではないでしょうか。
さて、そこで考えたいのが、そろばん教室のオンライン化です。
具体物である「そろばん」は自宅に持ち込めますし、自宅でも練習できます。残るは、計算方法の指導、そして技術的指導ですが、これも動画配信サービスやウェブ会議システムを利用すれば可能です。
そろばん指導において忘れてはならないのは圧倒的練習量です(これはそろばんに限らずいえることですが)。オンライン化においての練習量とは、自主練習か合同練習の2種類が挙げられますが、大抵の生徒さんにおいては自主練習ができないのではないかと考えます。
すると、「合同練習の場をオンライン上でどれだけ作れるか?」が鍵になり、オンラインレッスンで上達するための秘訣だろうと考えます。固定された日時に練習の場を設けることは、上達へのアプローチともいえるのではないでしょうか。そこでは必ずしも個別指導はなくても良いですし、点数の報告などモチベーションの向上や、成長の確認がとれれば十分でしょう。
オンライン上でもこのようなメニューが構築されている教室であれば十分な成長は見込めますのでお勧めできる教室といえます。
また、オンラインレッスンを考えるうえで重要なのは保護者のサポートです。自宅の環境設備は大きなサポートといえます。たとえば、スマートフォンしかないご家庭とパソコンがあるご家庭との差は歴然です。スマートフォンとパソコンでは、そもそも画面サイズが大きく異なりますし、さらには、パソコン側を指導を見るための専用端末として、スマートフォン側は自身の手元を映すためのウェブカメラとしても使うことができます。こうした環境を構築できれば、より手厚い指導を受けることができますので、親ができるサポートとして、ぜひお願いしたいところです。
最後にオンラインレッスンの良い部分をご紹介します。通塾の必要がないことは時間的効率からしても利がありますが、それ以外に極めて重要なことがあります。
それは、
「親の興味関心が高くなる」ことです。
親が送迎だけして、降ろして「ポイ」ではなくなることです。
オンラインレッスンは自宅で学ぶところです。自宅で学ぶということは常に親が側にいて、開かれているレッスンに関心を持ちます。受けている習い事には関心を持っているので、会話のなかにも「そろばん」が出てきますし、子どもは関心を持ってもらえてることに喜びを感じながら練習します。もしかしたら、保護者も一緒に練習することがあるかもしれません。
親の関心が高いこと、そして親自身が関与することに対しては、子どもの意識もそれに比例して高くなります。
ここまでまとめたら自ずと答えが見えてきます。
教室側からしたらオンライン上で練習の場を設けること、そして発表の場を設けることで相当な効果が見込まれます。そして、教室が指定したオンライン環境を用意できるご家庭のみ、オンラインレッスンを受けられるようにした方が、教室・生徒ともお互いのためになることでしょう。
今後、ますますオンラインレッスンの需要は高まるものと予測しています。そういった時代の流れ、潮流に上手く乗ることは、長く教室を続けるにあたり重要なことだと考えます。それにはこれまでのやり方、それ以外の方法があることを受け入れ、指導者も積極的に勉強することが肝心なのではないでしょうか。